Bricklayer - コーデュロイ

2021年11月8日 In 2021fw, Product

コーデュロイ

『例年』という言葉が全く意味を成さない近年の天候不順ですが、暦の上では『立冬』を迎え、陽が沈むのも早くなり、このまま寒くなるかと思いきや、暖かい陽気もありよく分からない気候が続いています。

そんな中でも秋冬は何を着ようか、そんな嬉しい悩みが増える今日この頃です。

冬コーデにおあつらい向けなのが、『コーデュロイ』。

畝の凹凸がつくり出す落ち着いた表情は、一点投入するだけでコーディネートが冬めいてきます。

本日は太畝コーデュロイを使用したGジャンとトラウザーのご紹介です。

素材にはアウターとしてもしっかりと着用できる様に、ハイカウント(打ち込みの良い)で織られた8ウィル太畝コーデュロイを使用。

しっかりと肉感がありながらもしなやかで、ハイカウントコーデュロイ特有の畝から生まれる艶と光沢感が上品な雰囲気を醸し出しています。

温もりを感じるビジュアルと柔らかな手触りと質感 + 風合いは個人的にもこの時期一番好きなマテリアル。

畝や素材によって雰囲気が大きく変わるコーデュロイですが、リーバイスの517などのようなアメリカンの少し粗い感じのモノよりは、品のあるユーロ系のイメージが近いでしょうか。

デザインは1940年代のデニムジャケットをデザインソースにしたGジャン。

好みが分かれるタイプですが、デニムジャケットの王者としての風格を感じるジャケットです。

一見するとバックストラップの付いたファーストモデルの特徴的なデザインで、オリジナルには存在しない２枚仕立ての背ヨークとなっており、2枚接ぎ仕様のスピリットバック(通称Tバック)になっています。

ヴィンテージではサイズ46以上の大きな個体に見られ、用尺の問題から1枚の生地では足りず、背中に走る縫目がセパレートしているのが特徴です。

ラッカー塗装を施した月桂樹タック釦を使用し、フロントには5つボタンでピッチ間隔含めて着丈や身巾のバランスを多少緩くした、スタイリングを考慮されたシルエット。

オリジナルに比べて5～6㎝程度長い着丈と云ったところで、横長のシルエットでは無いので悪しからず。

フロントプリーツやボックスステッチ等、デザインを踏襲していますが、フラップ無しの両胸ポケットにしてオリジナリティーを持たせています。

デニムに比べワイルドやラギットなどの印象は皆無で、むしろマイルドな顔つきはウールパンツなどでも相性が良いと思います。

ラッカー塗装されたブラックのボタンが引き締まった表情となり、色気さえも感じる極上の素材に載せ替え、オリジナルデザインをベースにしながらもバランス感のとれた合わせ易いGジャンです。

真冬にはこの上にコートを合わせようと目論み中です。

私のファーストコーデュロイは20代前半に購入したリーバイス『519』。

カラバリも豊富で安価で汎用性が高く、３拍子揃ったパンツは色違いで複数購入し未だに現役選手ではありますが、その時からコーデュロイの素材の魅力に引き込まれ早20数年。

保温性に優れ、防寒が得意なこの生地は、多くの趣のある素材が冬場は豊富ですが、やはり好きです『コーデュロイ』。

こちらはヴィンテージのフレンチワークをベースにGジャンと同素材を使用した、ワイドシルエットのトラウザー。

素材の重厚感に負けないよう、ウエストベルトを幅広に設定しています。

フロントに大きく入った2本のインタックは腰回りに適度なボリュームを持たせ、このトラウザーの綺麗なシルエットを作る上で重要なディティールの1つ。

アウトタックは幾分カジュアルな印象があるのに対し、インタックはクラシックな趣きで、腰回りをすっきり魅せる視覚効果も併せ持ちます。

フロントはナットボタンを使用したボタンフライで、フラップ付きのバックポケットが2つ付いた、秋冬のラインナップの中では幾分控え目なデザイン。

ワイドパンツも市民権を獲得し、同世代にも定着しつつあるシルエットは、ヒップにゆとりを持たせ股上は深く裾に向かって緩やかでナチュラルにテーパードが効いています。